TOPレポート・コラム> レポート・コラム詳細

セミナー・講演会詳細

2011年5月24日

【新興国に翔ける】重要なマーケティング4P戦略

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110524/mcb1105240501003-n1.htm

 多くの上場企業は、この10年で主戦場を完全に海外へとシフトした。この動きは、今後もますます拡大するだろう。大げさなことを言うつもりはないが、次の数十年、新興国市場の取り組みなくして日本企業の成長はおろか、現状維持も難しいだろう。

 しかし、海外進出企業のほとんどがひたすら日本で行ってきた従来の事業とその成功体験だけを頼りにして、「中国市場は難しい。アジア市場は厄介だ」と頭を抱える。

 なぜ、日本企業は新興国市場で苦戦しているのか?

 答えは簡単である。各社とも日本市場では当たり前にできている4P戦略を欠いたまま進出しているからだ。

 4P戦略とは、Product(商品)、Price(価格)、Place(商流)、Promotion(プロモーション)の略称で、市場が海外であろうがなかろうが商売をする上では必須となる基本的な概念だ。企業はどの国においてもこの4つの戦略を組み合わせ、最善の布石を打たなければならない。

 Product(商品)戦略では、自社が売りたい製品ではなく、現地の消費者が何を求めているのかが重要だ。しかし、多くの企業は新興国を40年前の日本に似た状況と甘く見て、Product戦略に失敗する。現地の消費者ニーズをうまくくみ取った戦略を持つ企業など数えるほどしかない。

 Price(価格)戦略では、「Made in Japan」なのだから、日本企業の製品なのだから、高くて当たり前とのおごりから現地の実態とあまりにもかけ離れた価格設定で失敗するケースが多い。

 日本企業の製品が品質にすぐれているのは分かっているが、価格があまりにも高くて現地の消費者は買えないというケースが少なくない。せっかくのジャパン・ブランドもこれでは効果がまったく発揮されない。また、新興国では、台湾や韓国のブランドと日本ブランドにそう大きな差がないことも理解しなくてはならない。

 Place(商流)戦略に関しては、販売パートナーを安易に決めてしまうケースが少なくない。メーカーから小売りまでの商流がしっかりと確立されていないので、商流を理解した上でパートナーを決めることが重要だ。また、商流間のマージン構造の理解も忘れてはならない。

 そして最後のPromotion(プロモーション)戦略に関しては、新興国では日本企業も日本製品も日本ほどの知名度はまだなく、また日本以上に市場可能性の高い新興国であるにも関わらず、あまりにもプロモーション費用をかけずに売ろうとしている企業が目立つ。

 どのプロモーション手段が最も費用対効果が高いのかを理解しておらず、プロモーションに手が出ないのだ。中国やインドなど広い国土に巨大な人口を持つ国ではひたすら不特定広範囲にプロモーションを仕掛けても効果がない。貧富の差が激しく、所得層によってメディア接触パターンが大きく異なるのが新興国である。

 新興国市場に難しさを感じている企業は、今一度、4P戦略を見直すことが重要だと強く感じる。

                   ◇

【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

ホームページはhttp://www.sdigrp.com/