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2011年8月23日

【新興国に翔ける】迫り来る韓国サブカルチャーの脅威

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110823/mcb1108230501010-n1.htm

 映画や音楽を中心とした韓流ブームが日本で続いている。これは決して日本に限った現象ではない。今、アジア中で韓流ブームの波が押し寄せ、アジアの若年層のサブカルチャーに多大な影響を及ぼし始めている。マンガやアニメなど日本独自の文化が海外で人気を呼ぶ“Cool Japan”を押しのけ、“Cool Korea”が日本の消費財関連企業にとって脅威となりつつあるのだ。

 日本ではあらゆることが先進化し、それらをマニアックに追求した結果、独自の概念や価値観を極めた若年層は、ちょっとやそっとのブームで、その概念や価値観に大きな影響は受けない。どれだけ韓流ブームが大きくとも、韓国や韓国人にあこがれ、ライフスタイルそのものに影響を受ける日本の若年層は少ないだろう。

 あくまで、特定のアーティストや俳優へのあこがれにとどまる。これは韓流ブームに限ったことではない。人気米国テレビドラマもブームだが、米国や米国人にあこがれ、彼らのライフスタイルそのものに影響を受ける日本の若年層もまた少ない。

 日本では、若年層が米国人のライフスタイルにあこがれる時代は、とうの昔に過ぎ去った。

 昭和30年代前後が米国にあこがれた時代にあたるのではないだろうか。その結果、ライフスタイルの欧米化が進んだが、以降の日本は独自の路線を極めていったのだ。

 しかし、今まさに経済成長著しいアジアでは、人々が貧困からどんどん脱却し、中間層が拡大している。そんな中、アジアの若年層は自身の価値観にこだわりを持ち始め、その価値観にあったライフスタイルを手に入れようとしている。彼らの目に飛び込んでくるのが韓国のドラマや音楽なのである。

 中国東南アジアのどの国をとっても、韓国ドラマの放映時間やチャンネル数は日本ドラマの比にならない。彼らにとって、日本と韓国のサブカルチャーに大した差はない。どちらも新しく新鮮に映る。従って、より接触機会の多いサブカルチャーの影響を強く受けるのは言うまでもない。

 日本の消費財関連企業の中でも、この危機にいち早く直面するのはアパレル関連だ。ファッションは、ライフスタイルを創造するのに最も身近な存在だからだ。そして、日本のアパレル関連企業は、ヨーロッパのデザイナーズブランドと比較すると、当然、ブランド力が限定される。アジアの消費者は、日本のファッションに対して“カワイイ”という感覚はもっていても、個々のブランドそのものへの知識はまだない。それを証明するのが百貨店のフロア案内だ。

 日本では、フロアごとに出店しているブランド名の記載が必ずある。消費者は自分の好きなブランドを目当てにフロアを上がる。しかし、アジアの百貨店にそれは存在しない。あるのは女性フロア、男性フロアという大枠の記載だけだ。アジアの消費者はまだブランドの領域ではなく、イメージの領域までしか到達していないからだ。

 日本の消費財関連企業は、こうした背景を知った上で、アジアでの戦略を組み立てなければならい。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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