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2011年3月15日

【新興国に翔ける】競合他社の具体事例に学べ

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110315/mcb1103150503013-n1.htm

 アジア市場を獲得するうえで、最も重要といっても過言ではないことが、ひとつある。それは、ベンチマーク(標準)となる企業の具体事例を学び、そこから事業モデルと戦略を立てることだ。欧米と日本による経済支配は、もはや過去の話となった。アジアの雇用と所得は拡大の一途をたどり、9億人の中間消費者市場(ボリュームゾーン)を創出し、アジア経済は一大マーケットに向かっている。

 人口減少と少子高齢化により国内消費者市場が衰退していく日本企業にとって、アジア市場で勝ち残らなければ成長はない。

 しかし、残念なことに、プロダクトアウト(市場のニーズを意識せず、企業側の意向や技術を重視して製品やサービスを開発し、それらを市場に導入する考え方)をまだ捨てきれないまま、アジア市場に挑む企業が少なくない。高度成長期の日本と現状のアジアを重ね合わせ、当時の日本は完全にプロダクトアウト市場だったため、それと同じことをすればアジアでも売れるという勘違いを抱いているのだ。

 これは必ずしも製造業に限った話ではなく、サービス業や小売業、IT(情報技術)・インターネット系企業でも同じである。

 「日本企業の製品だから、サービスだから、技術だから、アイデアだから、アジアの人は欲しがるだろう」というのは大きな間違いだ。確かに日本企業には過去の積み重ねによるアドバンテージ(有利)はあるが、それだけでは市場を席巻することはできない。なぜなら、現在のアジア市場の成長は日本の高度成長期とは時代背景も環境も異なるからだ。

 プロダクトアウトがだめなら、マーケットイン(企業が製品や商品、サービスの開発や販売に際して、市場ニーズをくみ取った上でそれらを取り込んでいく考え方)で成功するのかというと、必ずしもそうではない。アジアでは、マーケットインの考え方がプロダクトアウトよりも重要であるのは事実だが、モノやステージによっては、徹底したブランディングとともにプロダクトアウトが適している場合もある。

 重要なのは、先駆者からのケーススタディー、すなわち具体事例に学ぶことである。日本企業の場合、アジアの市場獲得に出遅れたため、どの業界にも外資もしくは地元企業の先駆者がすでに市場に存在する場合が多い。

 従って重要なのは、それらベンチマーク企業の成功と失敗のケーススタディーを行い、分析することである。いわゆる、ベンチマーク調査(競合調査)だ。そのうえで、事業モデルや事業計画、事業戦略を立てることが重要なのである。

 「とにかく現地に出て、学び、そこから立ち上げる」。こんなやり方をしていては成長スピードが格段に違うアジア市場では勝てない。ベンチマーク企業のケーススタディーこそが、アジア市場獲得の近道だ。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

ホームページはhttp://www.sdigrp.com/