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2010年9月21日

【新興国に翔ける】発展続くタイ小売業 日本企業にも商機

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100921/mcb1009210502010-n1.htm

 タイの小売業界は経済を支える重要な内需型産業の一つである。タイの小売業総売上高は、200億ドル(約1兆7130億円)を超え、国内総生産(GDP)の約8%、雇用の5%を占める。特に、専門店やコンビニエンスストア、ディスカウントストアなどが、安定成長を続けている。一方、デパートはバンコク市内の競争激化によって成長が鈍化してきた。主要なショッピングモールやデパートは、消費者の支出を促し、買い物の頻度を増やそうと、さまざまな販売促進活動を展開している。

 タイの主な小売業者としては、CPオール、セントラル・リテール、モール・グループ、ビッグCスーパーセンター、テスコ・ロータス、ロビンソン・デパートなどが挙げられる。

 CPオールは、タイにおけるセブンイレブンの運営会社で国内最大手のコンビニエンスストア・チェーンである。同社はタイ国内最大の複合企業であるチャルーン・ポーカパン・グループの一企業であり、同国内で5500店舗を超えるセブンイレブンを運営している。国別店舗数で、世界1位の日本、2位の米国に続き、第3位である。同社は常に目新しさを提供し続けられるよう、新たな製品やサービスを絶えず投入している。

 セントラル・リテールは、タイの小売業界最大手の複合企業であり、同国内の大手複合企業、セントラル・グループの一企業である。セントラル・デパート・チェーンや、かつてのライバルであるロビンソン・デパートを所有している。また、ディスカウント・スーパーマーケット・チェーンのビッグCの株式も保有する。

 モール・グループは、タイで2番手のショッピングモール運営会社であり、ザ・モール百貨店チェーンのほか、エンポリウムやサイアムパラゴンを運営している。同社は小売事業を拡大するとともに、経営多角化としてホテル事業および地域開発事業にも着手している。

 ここ数年、先行きが見えない政治情勢により小売業売上高の前年比成長率は鈍化している。小売り各社は、宣伝広告や販売促進活動に力を注ぎ、消費者の購買意欲を高める努力を続ける。

 また、政府も政局を安定させ、消費者の信用を回復できるようにと政策を打ち出した。タイの小売市場にとっては重要な外国人旅行者と現地消費者の両方の消費を取り込もうと、政府と業界がともに努めているため、消費は徐々に回復の方向に向かっている。

 今後、体力のある大手チェーンの展開が業界を牽引(けんいん)しつつ、タイの小売業界は近代的なモール形態を中心にさらなる発展をしていくだろう。

 現在、タイに進出している日本企業は自動車など製造業が中心だが、これからは小売業の進出にも期待がかかる。近代的モールの発展が続けば、日本ブランドへの注目度が高まり、集客力の向上も期待できるからだ。折しも9月に入り、タイの株式市場では、内需拡大への期待感から直近の最高値(2007年11月)の水準を上回るなど、経済成長が鮮明になってきた。東南アジア諸国連合(ASEAN)経済の中心地でもあるタイでのビジネス成功は、大きな意味を持ってくるだろう。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

 中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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