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2011年1月11日

【新興国に翔ける】本社のグローバル化急げ

http://www.sankeibiz.jp/business/news/110111/bsg1101110502006-n1.htm

 ユニクロと楽天の「英語の公用語化」が世間を騒がせた。日本企業が英語を公用語化する取り組みに反感を抱く人は少なくないが、私はこの取り組みが企業の次の10年、非常に大きな差となって顕在化すると確信している。

 人口減少による国内の市場縮小が、日本企業がグローバル化を強いられる最大の理由だ。日本の総人口は2050年に8000万?1億人と予測されており、そのうち3分の1は高齢者である。今までは国内が最重要市場であり、次いで欧米市場であった。しかし、昨今のアジアを中心とした新興国の著しい経済成長を背景に、世界は逆転の構図となるだろう。世界がいまだかつて経験したことがない新たなグローバリゼーションの幕開けである。

 企業がグローバル化を強いられれば、当然、そこで働く人材もグローバル化を強いられる。言い換えれば、人材のグローバル化なくして、企業のグローバル化はあり得ない。日本企業の海外展開における最大の課題は、アジア最低レベルの語学力がもたらすグローバル人材育成の後れである。

 一方で、韓国企業の躍進は目覚ましく、グローバル企業の代表格となったサムスンは、地域専門家制度など新興国向け人材育成の強化と同時に、累計2万人が参加する語学教育プログラムを実現するなど、語学教育には相当な力を注ぎグローバル人材育成を推し進めている。英語は当然として、中国語や日本語教育にも積極的に投資している。中国への留学生は韓国人が最も多く、中国、アフリカなどの市場開拓への力の入れようには学ぶものが多い。

 韓国のLGも状況は同様で、英語能力判定のTOEICで新入社員の平均スコアは900点(990点満点)という。現地法人と本社のやり取りは、韓国人同士であっても、英語が基本言語と徹底している。

 そして、欧米企業の現地化は日本企業よりもはるかに先を行く。現地法人の経営トップが現地人ということは周知の事実だが、最近では、本国の本社に中国やインドの現地人を抜擢(ばってき)する人事も目立ってきた。現地法人だけがグローバル化しても、それを統括する本社がグローバル化できなければ何の意味も持たないからだ。この現象は今後ますます増えてくるだろう。

 「日本は語学教育でかなり後れている。語学ができないという劣等感や、国内ではまだ何とかなるであろうという個々の甘えが、企業のグローバル人材育成の後れにさらに影響を与えている」と中国語のパソコン遠隔教育システムを開発・販売するWEIC社の内山雄輝社長は言う。

 私もその通りだと思う。これからの時代、海外部門もしくは海外赴任にならなければ語学力は不要ということは絶対にない。日本企業が新たなグローバル経済で勝つためには、日本本社のグローバル化が必須である。諸外国企業に後れをとらないためにも、一刻も早い本社のグローバル化が求められている。

 そして、忘れてはならないのが、企業のグローバル化はそこで働く人のグローバル化である。一人一人がグローバル人材に向けての一歩を踏み出さなくてはならない。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

 中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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