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2011年6月7日

【新興国に翔ける】日本企業でなければならない理由

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110607/mcb1106070502007-n1.htm

 昨今、多くの日本企業が低迷する国内市場に見切りを付け、主戦場を成長著しい新興国へシフトしている。

 中でも圧倒的なのが中国だ。人口や経済成長率など、どれをとっても他のアジア諸国の中では群を抜いている。中国の国内総生産(GDP)は2010年に5兆7450億ドル(約461兆2660億円)と日本の5兆3910億ドルをついに超えた。50年には、日本の6兆6770億ドルを大きく上回る70兆7300億ドルに達する予測が出ている。

 現在の1人当たりGDPこそ、日本の4万2820ドルと比較するとまだ10分の1程度の4382ドルだが、13億人という巨大な人口と現在の経済成長率を考慮すれば、決して見劣りする数字ではないし、今後急速に拡大することは目に見えている。

 しかし、日本企業は自動車や生産材など、ごく一部の企業だけがシェアを取ることができ、その他の多くの企業は苦戦を強いられている。

 そもそも、成功している企業は、なぜ成功しているのか?

 もちろん、成功している企業とそうでない企業には、個々のマーケティング戦略に質の違いが大きく存在する。それらはさて置き、もっと前段にあるものを掘り下げてみたい。

 成功している企業には「日本企業でなければならない理由」が必ず存在する。高い技術力を誇る自動車や生産材メーカーなどがそれに当たる。日本企業でなければ作れない、日本企業でなければ持ち得ない技術がそこにある。日本の製造業には、日本企業でなければならない理由が存在するのだ。しかし、その他の多くの業種は、わざわざ中国で手がけるのが日本企業でなければならない理由がないことからのスタートであることを認識しなくてはならない。別に他国の企業でもいいし、中国企業がやる方がなお良い場合だってあるだろう。日本で成功している中国企業がないのと同じである。

 従って、「日本企業でなければならない理由」を突き詰めることが他国で事業を成功させる上では重要となる。突き詰めてもいない場合、その理由を作るしかない。理由を作るとはいったいどういうことなのか?

 「スピード」と「経営資源の投資」である。例えば、外食産業で言えば、マクドナルドやケンタッキーフライドチキン、スターバックスなどがまさにそれだ。早期の進出と巨額の投資で、それらの企業でなければならない理由を市場で作り上げた。EC(電子商取引)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのIT(情報技術)分野では、米国のシリコンバレー発という強い理由があるにせよ、それだけでは理由に乏しいと考えたアマゾンもフェイスブックもスピードと投資を重視した。

 ユニクロは中国市場に一度は出ばなをくじかれたが、現在の戦略を見るとスピードと投資で日本企業でなければならない、ユニクロでなければならない理由を作り上げた。

 わざわざ日本企業でなければならない理由がない以上、その理由を作れなければ、誰と組もうが中国市場で絶対に勝てない。「理由」を作るための戦略を今一度追求してほしい。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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