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2010年11月2日

【新興国に翔ける】日印EPAで試される実力

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/101102/mcb1011020504021-n1.htm

 日本とインドの両政府は、両国間の貿易や投資などの自由化を進める経済連携協定(EPA)を締結することで正式に合意した。これは、12億人以上の人口を抱え、成長著しいインド市場の取り込みを図る日本企業にとってうれしい出来事だ。

 2009年の日本からインドへの輸出額は約5900億円。これは、日中間や日米間の貿易額と比較すると5%程度とまだまだ低いが、インド市場の成長可能性の高さを考えると今回のEPAでインド市場へのさらなる輸出増が期待できそうだ。

 合意内容によると、今後10年かけて日印間の輸出入に対する関税が撤廃される。現在、日本から輸出する家電や自動車部品には10%程度の関税がかけられているが、大半が撤廃される。これは、既に現地に生産法人を持つ日系企業が日本から調達する部品のコストを下げられることを意味する。そうなれば当然、完成品も競争力ある価格帯を維持することが可能になる。

 日本が最初にEPAを締結したのはシンガポールで、02年のことである。アジアの中ではシンガポールが最も早かった。しかし、その他の国との交渉は日本の農業分野の調整が難航し、ここ数年は韓国に先を越されている。韓国は既に今年1月にインドとのEPA合意にこぎつけており、東南アジア諸国連合(ASEAN)とも昨年に自由貿易協定(FTA)で合意。また、欧州連合(EU)とも先月にFTAで正式合意している。

 日本企業の間では、EPAの締結なくしては、インド市場における韓国企業との競争が不利になるとの懸念もあったため、今回の締結はプラス要因であることは間違いない。しかし、マーケティングの観点でみると、韓国企業の強さは必ずしも貿易協定に頼り切ったものではない。

 確かに、韓国政府は貿易協定を積極的に進め、韓国企業にとっては力強い後押しとなっているが、アジアにおける韓国企業側のマーケティングへの投資も相当に手厚い。消費者の理解はもちろんのこと、消費者ニーズを製品に反映させるスピードの速さ、流通の押さえ方など、すべてにおいて徹底している。また、消費者の理解に重きを置きながら、必ずしも消費者の理解だけにとどまっていない。新興国市場への参入では非常に重要となる競合企業の失敗要因や成功要因の分析も徹底している。

 中国に続く巨大市場インド。今後10年間に、EPA締結でますます市場性が増していくだろう。しかし、EPA締結はあくまで自由な貿易の土壌を構築したに過ぎない。

 日本企業がこの市場で勝ち抜くためには、真のマーケティング力が試されることになるだろう。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

 中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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