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2010年7月13日

【新興国に翔ける】文化を理解した人材投入が必要

http://www.sankeibiz.jp/business/news/100713/bsc1007130503008-n1.htm

 多くの日本企業が今、新興国市場での内需獲得に苦しんでいる。なぜ、日本企業は新興国市場で市場シェアを伸ばすことができないのか。日本企業を見ていると、3つの共通課題が見えてくる。

 1つは、グローバル・ガバナンス(世界的統治)の再構築。2つ目は、市場リサーチへの投資。そして、最も重要なのが、グローバル人材の投入と育成である。

 日本企業は、新興国での現地法人化や現地への権限移譲が、欧米や韓国企業よりも著しく遅れている。中国では、現地社長に相当する「董事(とうじ)長」や「総経理」は日本人が務めているケースがほとんどだ。主要ポストも日本からの駐在員が占めている。

 部長クラスに現地人を抜擢(ばってき)している企業もあるが、同格ポストに日本人が就き、中国人部長の見張り役のような役割を果たしている場合も少なくない。仮に、役職では中国人の方が上であったとしても、日本本社から駐在に来ている日本人の方が「偉い」という日本企業独特の“暗黙の了解”が存在する。中国人部長にしてみれば、名ばかりの部長職だ。

 仕事が終われば、日本人同士で日本食を食べ、日本人向けカラオケ店に行き、家に帰ればNHK国際放送を見て、朝は日本の経済新聞の国際版を読む?。この独特の日本人社会に、優秀な中国人は入りこめない。むしろ、入りたくないのかもしれない。それを証明するかのように、中国の人気就職ランキングには欧米企業が上位に名を連ねている。

 生産工場として中国法人を活用していた時代は、これで良かったのかもしれない。生産ノウハウを持つ日本人が統治することが望ましいからだ。今、中国現地法人に求められているのは中国内需の獲得で、必要なのは中国文化への深い理解である。深い文化を理解するためには、中国語の習得が必須だ。中国人は、中国語を理解しない人間には本音を語ったりはしない。語学への理解が文化への理解につながり、初めてビジネスの成功につながる。

 欧米企業の成功理由に、現地トップマネジメントの徹底した現地化がある。欧米の企業はかつて国が植民地政策を推進していた歴史的な背景から、統治という面に関しては明らかに日本企業よりたけている。

 ちなみに韓国企業は、逆に韓国人社員のグローバル化に投資をしている。社員を新興国に送りこみ、仕事はさせずに、数年間ひたすら現地文化を学ばせる教育制度が存在する。

 日本企業でも、コマツなど徹底した現地化を始める企業が出てきた。日本企業が新興国で成功するためには、グローバル人材の投入と育成を早急に進める必要がある。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

 中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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