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2011年7月19日

【新興国に翔ける】技術力ある日本はブランド力を育てよ

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110719/mcb1107190503006-n1.htm

 日本には世界に通用する素晴らしい製品やサービスが多く存在する。しかし、なぜ多くの日本企業が新興国で苦戦を強いられるのか。

 マーケティング戦略の観点で言えば、いくつかの原因がある。しかし、今回は、“ブランド力”に焦点を当ててみていきたい。

 新興国ではブランド力が先進国以上にものをいう。特に、最も経済成長が著しい中国市場では、ブランド力を軽視しての勝利はあり得ない。

 新興国は、欧米日の経済支配の時代に貧困を強いられてきた。しかし、近年の劇的な経済成長により市場は急激に変化し、新しいモノが消費市場にどんどん出現している。そんな中、何を基準に商品やサービスを選ぶのか。

 当然ながら、多くの商品やサービスが彼らにとっては初めて目にするため、本当に良い商品やサービスを見抜ける消費者は先進国と比較すれば圧倒的に少ない。日本もかつてそうであったように、国外から入ってきたモノは「輸入品」として高級品扱いされ、国内の企業が生産したモノは「国産」として輸入品よりも劣る評価を受ける。国外から入ってくる商品は、それだけで既にブランドなのだ。

 ここで重要なのは、どの国から入ってくるのかだ。多くの日本企業は、「日本製にはとてつもないブランド力が存在する」と思い込んでいるが、それは大きな間違いだ。「日本製だから売れる」というのは一昔前の話である。確かに、一部の消費財には日本の圧倒的なブランド力がいまだに存在するし、全般的に日本製というブランドには優位性がある。

 しかし、それだけでは購買の決定打にはならないし、大半は欧米のブランド力には完全に負けてしまう。日本製の方が、技術や品質が高いにもかかわらず、市場では欧米ブランドに負けてしまったり、欧米ブランドほどには高い価格を付けられない事例などいくらでもある。

 これは非常に残念な事実であるが、「豊かさ=憧れ」の象徴は圧倒的に欧米であり、アジアの消費者は欧米ブランドに弱い。もっと言うと、日本も含めてアジアは白人社会に弱い。

 日本人自身が日本製や国産という言葉にブランドを感じ、誇りを持ったのは、高度成長期に日本製が欧米人に認められたからである。もし、彼らが認めなければ、今でも国産に対するブランド評価は低かったはずだ。

 欧米が日本より上か下かの議論はまた別の機会に譲るとして、欧米には日本にない圧倒的なブランド力が存在する。日本企業がアジアで成功するためには、今までの技術や品質だけの勝負ではなく、同時にブランド力をどう育てるかをもっと真剣に考えていかなければならない。

 特に、韓国や台湾企業の技術力がすぐそこまで追いついてきている以上、ブランド力の重要性は今後、ますます高まっていくだろう。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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