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2011年11月8日

【新興国に翔ける】戦略なくしてアジアは取れぬ

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111108/mcb1111080501007-n1.htm

 成長著しいアジア市場への企業進出が後を絶たない。日本市場は20年もの間、ほとんど成長していない。今後の見通しも決して明るいものではない。人口減少や少子高齢化で内需は確実に縮小する。アジアへ打って出るという経営判断は、日本企業としては当然のことである。

 しかし、多くの企業が戦略なきアジア進出をしてしまっている。その結果、現地法人の設立から数年が経過しても、なかなか売り上げを伸ばせず、先行きも明るい計画が描けないでいる企業は少なくない。

 基本的には、「何を」「誰に」「どう売るか」という非常にシンプルな課題をクリアすることなのだが、そこに戦略がまったく存在していないため、課題をクリアできないでいるのだ。

 まず、「何を」に関して言うと、高品質・高技術の日本製品もしくは日本企業製品を売ることに執着し、アジアの市場が本当に何を求めているのかを理解していない企業が多い。

 この連載コラムで何度も繰り返し訴えているが、プロダクトアウト(市場のニーズを意識せず、企業側の意向や技術を重視して製品やサービスを開発し、それらを市場に投入する考え方)の概念は捨てなくてはならない。

 高品質・高技術だけではアジア市場は取れない。いくら日本がアジアの中で先進的だからといって、日本市場のニーズを持ち込んでも、アジア市場には受け入れられないのである。

 次に、「誰に」であるが、せっかくアジアに進出していながら、日系企業にしか売ることができていない企業が山ほどある。今はそれで良いのかもしれないが、あと数年もたてば、日系企業だけを顧客にしている企業は、アジアの現地法人を維持していけなくなるだろう。

顧客となる日系企業もグローバル競争の真っただ中であり、今後、必ずしも日系企業から製品を購入するとはかぎらない。たとえ非日系企業であっても、より優位性のある企業から製品を購入せざるを得なくなる。

 最後に、「どう売るか」であるが、ここでも日本企業が大きな過ちを犯している。日本や先進国での実績はアジアでは無価値とまで言わないが、成功体験をそのまま持ち込み、アジアでも成功を得ようとするのは間違いだ。

 そもそもアジア市場は、サプライチェーン(供給網)が日本市場のような一定の型に収まっていないケースが多々ある。そのような市場に日本での売り方を持ち込んでもうまくいかない。アジア市場には、アジア市場に即した供給網を構築しなければならないのだ。

 これらは、全て進出する前の事業戦略や販売戦略を固めることでクリアできる課題である。戦略を構築しても、その実行が難しいアジア市場において、戦略なくして進出するということは、武器を持たずに敵地に攻め入るのと同義である。アジア市場こそ戦略が全てなのだ。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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