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2011年7月5日

【新興国に翔ける】成長期戦略はスピードと投資が重要

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110705/mcb1107050501007-n1.htm

 アジアの著しい急成長に伴い、日本企業のアジア進出は過去の生産拠点としての進出から販売拠点としての進出へと完全にシフトした。

 アジア市場を狙うのは、大企業だけにとどまらず、中堅中小企業からベンチャー企業までもが必死に挑んでいる。

 しかし、既に成長期である業界にも関わらず、導入期の戦略を展開している日本企業は少なくない。特に中国市場に関して言えば、多くの業界が既に成長期であるにも関わらず、新規参入する多くの日本企業が導入期の戦略を展開している。

 一般的に、日本企業は欧米企業に比べ、中国の内需獲得に10年ほど出遅れたといわれている。そして昨今、多くの新規参入組が存在するわけだが、既に導入期から中国内需に取り組んでいた企業であれば、市場でそれなりの存在感を発揮し、社内にはノウハウもたまっているはずだ。従って、その業界が成長期に突入したのか否かを基準に、今までの導入期戦略から、一気に成長期戦略に切り替える経営判断を行えばよい。

 しかし、導入期での参入は行わず、成長期の今になって参入する企業に関しては、確かに自分たちにとっては初の中国戦略になるのかもしれないが、だからといって成長期の中国で慎重かつ着実な導入期戦略を展開していては、スピードで完全に負ける。成長期はとにかくスピードと投資が全てだ。

 例えば、ファストフードチェーンで言えば、ケンタッキーフライドチキン(KFC)が非常に分かりやすい。

 KFCは、1987年に中国1号店を北京にオープンさせた。当時の中国は、ファストフードがまさに導入期であった。KFCは、導入期の10年で約100店舗まで展開し、次の成長期前半の10年で約1000店舗まで増やした。さらに成長期後半には、たった3年で2000店舗に至るまでのスピード展開を行った。導入期は、ゆっくりだが、着実に店舗を増やし、成長期をじっと待った。そして、成長期に入ると一気にスピードを上げ、巨額の投資で店舗数を拡大したのだ。

 KFCは現在、中国に3000店舗以上を出店し、内陸地を考慮するとまだまだ成長期にある中国のファストフード市場で、1日約1店舗のスピードで店舗を増やしている。

 日本市場のような先進市場では、導入期や成長期の業界は非常に少ない。従って、日本企業の多くはここ数十年の間、成熟期もしくは衰退期の戦略にどっぷり浸っている。

 しかし、中国やアジアの市場は、今、まさに成長期の真っただ中にある。自社が戦う市場が今、どのようなステージ(期)にあるのかを知り、そのステージにあった戦略を徹底することが、市場で勝つための最低限の条件であることを今一度認識してほしい。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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