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2011年5月10日

【新興国に翔ける】変わりゆく高級ブランドのターゲット

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110510/mcb1105100501007-n1.htm

 日本人であれば、誰もがルイ・ヴィトンやグッチ、プラダといった高級ブランドの財布やバッグをひとつは持っているのではないだろうか。東京の渋谷や新宿など繁華街では中高生がルイ・ヴィトンの財布やバッグを持ち歩いている光景も珍しくはない。欧米などの海外で、セレブリティー(著名人)でもない中高生がルイ・ヴィトンを持つ光景はまず見られないだろう。

 かつて、欧州を始めとした高級ブランドの最大のターゲットは日本人であった。しかし近年、彼らのターゲットは中国人へと変わりつつある。

 欧州などの高級ブランドは、北海道から沖縄まで大半の都道府県に出店している。日本には並行輸入の高級ブランド品を格安で販売する店が星の数ほど存在し、楽天やヤフーといったインターネットショッピングサイトにはこういった並行輸入ショップが数多く出店している。

 また、高級ブランド品の中古市場がしっかりと成り立っているのも日本の特徴である。日本には高級ブランド品なら中古でも良いのでほしいという人が多く存在するわけだ。

 海外の高級ブランド店には必ずといってよいほど、日本人観光客相手の日本語を話せる接客担当者がいた。お願いしてもいないのに、日本円に換算した値段をごていねいに計算して、日本よりどれだけ安いかを教えてくれる。かつて、彼らにとって日本人は最重要顧客であったのだ。

 また、日本人であれば、誰もが海外の繁華街で「ニセモノあるよ。ロレックス、ルイ・ヴィトン、なんでもあるよ。見るだけOK」と声をかけられた経験を持っているのではないだろうか。日本人がいかに高級ブランド品の上得意客だったかを物語る。

 しかし、最近ではこのような光景はあまり目にすることがない。数年前から高級ブランドのターゲットが日本人から中国人へとシフトしているのだ。香港でもシンガポールでも、ほかのどの都市でも、高級ブランド店の店内を見渡せば、顧客の大半は中国人である。高級バッグを2個、3個と平気で買っていく。香港では、広東語が主流の香港人が一生懸命に北京語を話して接客している。比較的単価の安い財布やキーホルダーは日本人で、単価の高いバッグやアクセサリーは中国人と、もう日本人はあまり相手にされない。

 大量の現金で高級ブランド品を買いあさる中国人観光客の姿は、一時の日本人を思い出させる。いまや、欧州の高級ブランドの大半は中国を最重要市場と位置づけ、積極的な店舗展開とブランド認知に努めている。

 中国への店舗展開は、現地での売り上げはもちろん、中国人旅行者の自国での消費にもつながる。欧州の高級ブランドの迅速なターゲット戦略には、日本企業も学ぶべきところが多いように感じる。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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