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2010年9月28日

【新興国に翔ける】人気高いスポーツブランド衣料

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100928/mcb1009280501003-n2.htm

? 近年、アジアの都市化率は着実に上昇している。経済産業省の調べでは、アジア(中国・香港・台湾・韓国・シンガポール・マレーシア・タイ・インドネシア・ベトナム・フィリピン・インド)には、可処分所得が5001ドル(約42万円)以上、3万5000ドル以下の層が8.8億人存在する。これは、1990年比で約6.2倍である。今、世界中のファッションブランドが、この8.8億人のボリュームゾーン(中間層)獲得にしのぎを削っている。

 新興国の消費者には、ファッションブランドに関する共通点が存在する。スポーツブランドの衣料品が非常に高い人気を誇っている点だ。SDIがブランドデータバンク社と共同で行った調査の結果によると、「持っているお気に入りの服」では、1位がアディダスで44%、2位はナイキで19%、同じく中国のスポーツブランドの李寧(LI NING)が19%と、全体の80%以上をスポーツブランドが占めている。また、中国には、既にアディダスやナイキ、プーマといった強豪スポーツブランドが出そろい、インドでも同様だ。大型商業施設に行けば必ずといっていいほど専門店がある。

 ファッション意識が高まると、消費者は自分に合ったブランドを求めるため、さまざまなブランドへのニーズも高まる。しかし、初期段階ではやはり身近にあるものの影響を強く受ける。スポーツは、新興国も先進国もテレビで同じように観戦される。むしろ、国の政策で、新興国の方がテレビを通じたスポーツ観戦の機会が多い場合もある。スポーツ観戦は国民にとって数少ない重要な娯楽であり、それにより犯罪発生率を下げることも可能だからだ。従って、多くの中間層が最初に意識するファッションがスポーツブランドになる。日本の場合、スポーツブランドを最初に意識するのは小中学生時代だが、新興国の中間層では、その時期が経済成長した現在であり、年齢層では成人以降に当たる。

 この市場で日本のスポーツブランドは微妙な位置に立たされている。日本を代表するスポーツブランドであるミズノやアシックス、ヨネックスなどが新興国で目立った活躍をしている話は聞かない。欧米外資の強豪に完全に先を越されている。日本を代表するスポーツブランドは製品に対する高い技術力を誇るにもかかわらず、そのブランド力とマーケティング力で負けてしまっているのだ。

 今後は中国系ブランドにも注意が必要だ。香港市場に上場する中国を代表するスポーツブランドの李寧は、アテネ五輪と北京五輪で積極的に各国代表ユニホームのスポンサーとなるなど、ブランド力向上に努めている。豊富な中国内需に支えられ今後さらなる成長が予測される。

 中国企業にとって、ブランド力と技術力が手に入る外資系スポーツブランドは高くない買い物になりつつある。技術力のある日本のスポーツブランドは買収や提携対象として魅力的な存在に映っているに違いない。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

 中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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