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2010年8月17日

【新興国に翔ける】人材のグローバル化で後れをとるな

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100817/mca1008170503008-n1.htm

 総務省が発表したわが国の総人口の長期的推移に関するデータによると、日本の人口は2025年に1億2000万人強となり、4人に1人が高齢者となる。50年には1億人強まで下がり、なんと3人に1人が高齢者である。

 これが、わが国が内需縮小の一途をたどる原因だ。日本企業は、成長エンジンとして外需獲得が不可欠だが、日本企業のグローバル化に大きな危機が迫っている。人材のグローバル化が進んでいない点だ。

 あるテレビ局が上場企業の新入社員を対象に行った調査で、約半数が海外赴任をしたくないと答えている。海外赴任をしたくない理由で最も多いのが「不安だから」である。

 幼少時代を父親の海外赴任に伴い海外で過ごし、海外での起業経験もあるからだろうか、よく海外赴任の相談を受ける。その多くが「行きたくない」というものだ。「自分は海外で通用するのか」「妻子が反対している」「子供の進路が心配だ」「語学ができないので不安だ」「戻ったときのポストがなくなるのでは」など、理由はさまざまである。

 しかし、一般的に日本企業は社員の海外駐在に関して、しっかりとした福利厚生が整っており、海外駐在者が不利益を被るようなことはない。

 語学ができなくて不安ならば、学べば解決する。戻ったときのポストを心配するような人材は、国内に居ても、どの道、ポストはなくなるだろう。

 重要なのは、国内事情を価値観のすべてとしていては、グローバル人材などは育たない。このような人材が多いことを残念に思う。

 これら日本企業と対照的なのが、韓国のサムスンである。優秀な若手社員を文化の探究の名のもとに積極的に海外、特に新興国へ派遣している。期間は1年程度で、仕事は一切させない。現地化した生活をさせ、現地の文化を徹底的に学ばせるのだ。

 いったん帰国後、再びその国へ今度は駐在員としていき、文化を理解した人材が現地マーケットの獲得に挑む。これが、サムスンの「地域専門家制度」である。また、MBA留学や入社後の英語検定の結果が大きくキャリアに影響する。従って、新入社員は自身のグローバル化に必死だ。実際、新興国では人材のグローバル化の威力が確実に発揮されている。

 それを証明するかのごとく、中国インド東南アジアブラジルなど、あらゆる新興国でサムスンの進撃が続いている。その成功要因をひもとくと、現地の文化を理解した商品開発やマーケティング戦略にある。

 わが国は次の50年、確実に外需を必要とする。今までの言語や文化の理解がさほど必要でなかった海外生産工場への駐在以上に、マーケティング領域での駐在が増えるだろう。日本企業にとっての新たなグローバル化の始まりだ。企業のグローバル化は人材のグローバル化なくして成しえない。海外駐在の機会に恵まれる若手には、積極的にその機会を生かしてほしい。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

 中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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