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2010年11月23日

【新興国に翔ける】中小進出支援に変化のとき

http://www.sankeibiz.jp/business/news/101123/bsg1011231341009-n1.htm

 日本の雇用の約7割を生みだす中小企業の多くが外需獲得に苦しんでいる。中小企業の海外進出は、一昔前と比べて課題が複雑化してきているからだ。製造拠点としての進出が中心だったころは、工場に関することや税務・労務といった管理系の課題が中心で、中小企業でも対処ができた。

 しかし時代は変わった。いまは、現地での販路構築が同時に必要となる。マーケティングの重要性が高まり、自治体など進出支援を行う側の役割も変わらなければならない。

 その点で、成功を収めているのは大阪府だ。現在、大阪府には約2万4000社の「ものづくり企業」が存在する。この数字は全国の9.1%を占め、最も多い。また、東京や愛知の場合は中小製造業が強い産業分野に偏りがあるが、大阪はまんべんなく強い。

 大阪府は、その土壌を生かし、“大阪の中小製造業”というものづくりブランドを確立させようとしている。海外進出の際、1企業では太刀打ちできないケースも多いが、大阪府では府内の企業リストを作成して現地ニーズに合致した企業を紹介し、売り込み役を買って出て、受注に結びつける取り組みを行っている。海外にある都道府県事務所が、存在意義を明確化できないなか、大阪府は受注獲得に向け商社的な機能を果たしている。

 公共機関が提供する中小企業の海外支援は、今までもいくつか存在する。しかし、いずれも中小企業が求めるニーズを満たせていない。

 支援の多くが情報提供や相談窓口で、実際に中小企業の手足となって情報を獲得してくることはほとんどない。中小企業に圧倒的に足りないのは現地情報であり、重要なのは、その情報をどう活用してどう戦略を立てるかの部分だ。

 相談窓口に関しても、専門家の多くは海外関連の仕事に従事したOBである。成長が鈍化する先進国ならまだしも、経済成長著しいアジアでは日々状況が変わる。そのような市場で、現場を離れたOBが果たせる役割は限られる。現地で動いている生の情報を仕入れられるかは疑問が残る。

 中小企業も自治体に任せきりではいけない。日本の中小企業は何かに依存する傾向が見受けられる。有用な情報を得たとしても、それを受注に結びつけることができるかは企業側の責任だ。現地ニーズの的確な把握と進出戦略など、自ら外需獲得に挑む姿勢が求められるのは言うまでもない。

 日本経済の重要な役割を担っている中小企業が外需を獲得しない限り、経済発展は望めない。あらためて、海外進出支援のあり方を見直すべきではないだろうか。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

 中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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