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2010年9月14日

【新興国に翔ける】中国ERP 中小企業向け市場に熱気

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100914/mcb1009140503011-n1.htm

 企業の財務管理や人材管理などに用いるERP(総合業務パッケージ)。中国では用友、金蝶、仁科、そして外資系のSAPやオラクルで市場の大部分を占めている。元々は外資系企業が中国のERP市場の先駆けだったが、その後、中国系メジャーの影響力が増していった。

 これら企業にとって主戦場は銀行、証券、保険といった金融業界や通信業界だ。しかし、2000年代前半にSAPが他社に先駆け、中国の中堅・中小企業をターゲットとした販売戦略を打ち出した。当然ながら、SAPは相当な苦労を強いられた。中国の中堅・中小企業をターゲットとした場合、業種・規模・地域別に異なる彼らの商習慣や市場環境などを深く理解する必要があったからだ。また、中小企業がERPを必要とするレベルに成長するまでには時間も要した。

 だが、この“先駆ける力”が中国で事業をする上では重要になる。欧米企業は業種・業界にかかわらず、先駆者意識が非常に強く、「自分たちが市場をリードする」という意思がある。

 中国のERP市場では、外資系を苦しめている大きな問題がある。それは会計システムだ。ERPとは会計、販売、在庫、購買、生産、人事・給与で必要な情報を一元的に管理する仕組みで、中国では多くの企業が最初に導入するきっかけとなるのが会計である。日本企業でも、日系のERPを使いながら、会計だけは用友を使っているケースが少なくない。

 日系企業の中国進出は、今でこそ、中国内需を狙った販売目的法人が主流だが、そもそもは1990年代から急激に増えた生産目的法人であった。当時、中国法人を設立して最初に直面したのは、中国当局に義務づけられた月次での財務会計の報告であった。報告形式は省や市によって微妙に異なり、中国政府公認の会計ソフトである用友しか事実上認められなかったのだ。

 実際、当局の意向で頻繁に変わる報告形式に迅速に対応できていたのも用友だった。2000年代に進出した企業もその流れを引き継ぎ、多くが用友を使った。これが「中国政府は用友でなければ、報告を認めない」という間違った認識を生み、今でも多くの日系企業に引き継がれている。しかし、実際はSAPやオラクルなども中国政府の認定を受けている。一度導入されると他社製への切り替えが難しい市場だけに、この誤った認識は外資系にとって大きなマイナス要因となっている。

 現在、中国の経済成長に伴い、ERP市場も過熱している。外資系、中国系の主要企業の経営者と話をすると、口をそろえて、「これからは中堅・中小企業を狙う。特に小売り、流通だ」と言う。中国のIT(情報技術)に対する支出は09年度で783億ドルに達した。今後は年平均16%で成長し、16年には1391億ドルに達するという。

 未開拓分野である中小企業へのサービスは日本企業にも大きなビジネスチャンスになる。日系企業向けサービス中心のビジネスモデルからの脱却を図り、中国市場で戦う態勢を整えることが急務だ。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

 中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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