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2011年12月13日

【新興国に翔ける】マネジメントという名の押し付け

http://www.sankeibiz.jp/story/topics/sty13500-t.htm

 私は仕事柄、1年の多くを海外、とりわけ新興国で過ごす。中国インド東南アジア中東、南米、アフリカと、顧客のビジネスがそこにある限り、国はさまざまである。私に課せられるミッション(任務)の多くは、各国における顧客の事業戦略や販売戦略を構築することである。時には、構築した戦略を顧客とともに実行して支援を行うこともある。

 良い戦略とは、さまざまな要素を必要とする。その要素を発揮し、戦略にするために絶対に必要なものが“情報”である。正しい情報で実態を可視化できなければ、良い戦略など立てられないからだ。

 従って、弊社では新興国で多くのリサーチを行っている。競合の実態や流通構造の把握など、産業調査もあれば、消費者の実態を可視化する消費者調査も行っている。

 さまざまな国で、その国に合った戦略を構築する際、当然ながら国ごとに異なるお国柄が非常に大きく影響してくる。広義では、政治や経済、文化などをしっかりと反映した戦略にしなければならない。狭義では、企業や流通、そして消費者などを的確に把握した戦略にしなければならない。

 日本や先進国でこれまで通用してきた戦略などは、ベースにしかならず、残りの50%以上はその国々に合わせてローカライズ(現地化)させなければ絶対に勝てる戦略など構築はできないのだ。

 しかし残念なことに、多くの企業を見ていると、いまだに日本や先進国で立ててきた戦略をベースの8?9割にしてしまっている。残り1?2割のローカライズした戦略が非常に甘いまま新興国へ進出しているのだ。

 本当に難しいのは、良い戦略の構築以上にその実行である。戦略の実行が難しいにも関わらず、それ以前の戦略が甘ければ、何年も頑張っても収益にはつながらない。

 仮に良い戦略を立案したと仮定して話をさらに進めたい。

 良い戦略を打ち立てて、いざ実行となった際、どんなにその国に詳しかろうが、どれだけ流暢(りゅうちょう)に言葉を話そうが、外国人である以上、日本人が新興国でできること、やるべきことは限られている。前線に立つべきは現地人であり、外国人はそれをいかにマネジメントできるかに尽きる。従って日本人にはマネジメント力が真に求められる。

 ここまでは誰もが理解しているのではないだろうか。理解していないのは、自分自身がマネジメントと思っている行為が、単なる日本流の押し付けでしかないということだ。

 日本流の押し付けという名のマネジメントを気がつかずに行っている日本人は少なくない。新興国の社員は日本人には気安く本音を語らない。それが押し付けの発見を遅らせる。日本人のマネジャーは絶えず、自身のマネジメントを自問自答する姿勢が新興国では求められると心から感じる。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

ホームページはhttp://www.sdigrp.com/