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2010年11月16日

【新興国に翔ける】タイの食品産業、日本勢の脅威に

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/101116/mcb1011160503004-n1.htm

 タイの食品産業が、ここ数年で急速に拡大している。現在の食料消費は、概算で250億ドル(約2兆円)で、主な輸出品目は、コメ、海産物、冷凍食品である。タイは、今や世界でも有数の食品生産国であり、東南アジア随一の食品輸出国だ。

 タイの食品業界は、1万社以上もの企業で成り立っている。その多くは、家内工業的な小規模経営者であり、中規模および大規模企業は15%程度に過ぎない。市場をリードする大手企業には、チャルン・ポーカパン・フーズ、タイユニオン・フローズン・プロダクツ、タイ・プレジデント・フーズなどがある。ユニリーバやネスレなど、多くの世界的企業もすでにタイの食品市場に参入している。

 タイ最大手のチャルン・ポーカパン・フーズ社の年間売上高は43億ドルを超えており、タイ最大の財閥であるチャルン・ポーカパン・グループの中核企業である。

 同社は、生鮮食品や加工食品などを国内外に提供している。マーケティングやブランド確立に多額の投資を行っており、中国本土においても強大なブランド力を誇る。さらに、加工食品をヨーロッパやアメリカの市場に輸出している。

 タイ・ユニオン・フローズン・プロダクツは、缶詰と冷凍海産物で国内最大手の加工・輸出業者である。年間売上高は、17億5000万ドルを超える。これまで順調に国際市場で拡大を続けており、特にアメリカの貿易企業との連携を強めている。中国市場への進出にも力を注ぐ。

 日本の食品メーカーは今後、欧米中の大手企業に加えて、これらタイ食品大手を中心としたアジア陣営ともグローバル競争を強いられるだろう。特にタイの食品メーカーは、成長著しい国内市場を持ち、東南アジアの中心的生産・輸出企業としての地位も向上している。大手数社は、同業の下位企業を吸収することで、さらなる規模拡大を図っており、この傾向は今後も続くだろう。

 日本の食品大手には年間売上高1兆円を超える企業もあるが、数千億円前半とタイ食品大手と売上規模がさほど変わらない企業も少なくない。タイ大手の場合、中国市場について、日系大手のように生産拠点としてはそもそも見ていない。完全にマーケットとしてとらえているため、マーケティングやブランディングへの投資がすさまじい。ますます激化する食品のグローバル競争において、タイ食品大手は日本企業にとって確実に脅威となる。今後の日本陣営の動きに注目したい。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

 中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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