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2010年10月19日

【新興国に翔ける】インドネシア 現地企業台頭で製薬激変

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/101019/mcb1010190502004-n1.htm

インドネシアの医薬品市場で激変が起きようとしている。競争力強化に向け、国内大手製薬会社の合併が検討されているのだ。平均寿命が伸び、老人性疾患が増加して西洋型医療への需要が急激に高まる傾向にあるなか、欧米の巨大製薬企業も続々と参入、業界地図が塗り変わろうとしている。

 インドネシアの医薬品市場は、2013年までに61億ドル(約4960億円)超の成長が見込まれている。ただ、国民の購買力は低く、医薬品市場を支える消費者は少数派に限定される。これは、国内に流通する多くの後発医薬品でさえ高価であるためである。理由は、国内産業が輸入製品に依存しており、最終価格が為替変動に左右されてしまうためだ。

 しかし、徐々に明るい兆しが見えてきた。適正製造基準(GMP)の認定を受けた国内医薬品メーカーによる輸出は、着実な増加を続けているからだ。輸出先としてはナイジェリアがトップで、中東市場も育ちつつある。貿易関係を結ぶ上で、インドネシアがイスラム教国であることが一つの利点となっている。

 インドネシアの4大製薬会社は、カルベ・ファルマ、キミア・ファルマ、インドファルマ、バイオ・ファルマである。政府はこれら国有医薬品メーカーの合併を計画している。これは、近い将来に予想される、東南アジア医薬品市場における販売競争への準備を目的としているのだろう。

 カルベ・ファルマは医療用薬品、消費者向け健康・栄養食品など、さまざまな分野を手がけるインドネシアの大手国有製薬会社であり、ジャカルタとスラバヤの株式市場に上場している。08年には、国内トップシェアに立った。一般的に競合他社は認可を受けて規格品を生産する戦略だが、カルベ・ファルマは国内外向け自社ブランドの立ち上げにもいち早く着手している。

 キミア・ファルマも株式のおよそ90%を国が所有する大手国有製薬会社である。ジャカルタとスラバヤの株式市場に上場。貿易および流通に小売業と、主に2つの事業部門を持つ。国内に300以上の薬局チェーン店を展開している。

 外資の状況はといえば、バイエル、ファイザー、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、サノフィ・アベンティス、シェリング・プラウなど、数多くの多国籍企業がインドネシア国内での医薬品製造を開始している。また地元流通業者を通じて自社製品の輸入を行っているメルクのような企業もある。

 もちろん、インドネシアの医薬品市場は、他の新興国市場と同様に、特許やデータ保護などに関する有効な手段がないため、偽造薬品の問題は残る。しかし、それは新興国市場では当たり前のことであり、それ以上に著しい経済成長がインドネシアの医薬品市場をますます成長させることは間違いないだろう。外資企業が参入し、現地企業が成長するなか、日本の製薬会社がこの市場でどう戦うのか。今後の展開から目が離せない。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

 中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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