TOPレポート・コラム> レポート・コラム詳細

セミナー・講演会詳細

2011年10月4日

【新興国に翔ける】アジア進出は競合相手に学べ

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111004/mcb1110040501009-n1.htm

 今年に入り企業のアジア進出はますます加速している。弊社に持ち込まれる案件数も昨年度と比較して明らかに多い。弊社が顧客から受ける相談の大半は、アジアで売るための戦略構築とその実行支援である。

 どのような戦略を組み立て、それをどのように実行するのか。

 アジア市場の場合、あらゆることが日本のような先進国とは大きく異なるため、戦略だけを顧客に提供しても価値を生まない。戦略の構築とその実行支援はセットで初めて価値となる。今回は、弊社が顧客の戦略構築の際に最も重用するポイントを述べたい。

 弊社に相談を寄せる企業は大手が中心であるため、7割以上は既にアジアに生産拠点はもちろん、販売拠点も持ち、本格的に進出している。しかしながら、その多くは、生産財系企業であれば現地日系企業への販売が主であり、成長が著しい現地企業への販売面で苦戦している。

 消費財系企業に関しても、現地市場でのシェア争いで苦戦を強いられている。既に現地へ進出して何年も経つにも関わらず、現地市場への売り上げが今ひとつ伸びないのだ。このような背景の中、われわれはまず競合環境分析から始める。その後、鍵となる競合企業数社を徹底的に調べる。彼らの成功要因を可視化していく作業である。

 現地販売で苦戦している日本企業の中には、競合自体の存在は知っていても、その実態の理解に乏しい企業は少なくない。自分たちは日本企業であり、質の違う製品やサービスを提供しているのでローカル企業は競合にならないという理屈だ。

 これは、これからアジアへ展開する企業も同様の場合が多い。日本でのビジネスモデルや経験をそのまま現地へ持ち込もうとするやり方だ。もしくは、不得意分野はパートナー頼みで現地企業と業務提携や資本提携をすることで解消しようとするかだ。

 後者は、現地企業とのビジネス手法やマネジメントの難しさなど別次元の苦労が存在する。さらに、日本企業側の日本での成功体験が、現地に即したやり方の邪魔になり、提携がうまく働かないケースも少なくない。

 日本での成功体験が役に立たないとは言わないが、“売り”をつくれる要因が日本とは大きく異なる場合が多いアジア市場だけに、日本での実績以上に現地に即した成功要因の可視化を重要視すべきである。成功要因は必ず先行者となっている競合の中にある。

 われわれが特に注視するのが、流通構造である。アジア市場の場合、流通構造が表面上は日本と同じでも、その中身、いわば実態がかなり日本と異なっている場合が多い。この日本と異なる流通構造でどう戦うのか、もしくは戦えるのかが戦略を組み立てる上で最も重要となるのだ。これは、競合から容易に学ぶことができる。

 日本には優れた企業が多いだけに、アジア市場に即した戦略をしっかりと構築し、実行すれば今以上に成功を収める企業が増えるだろう。

                   ◇

【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

ホームページはhttp://www.sdigrp.com/