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2012年4月10日

【新興国に翔ける】アジアマネーを取り込め

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120410/mcb1204100502014-n1.htm

 今年、日本の大手家電メーカーの多くが巨額の赤字を計上した。高い技術力を誇りながらも、韓国や中国勢との競争に苦戦している。しかし、いち早くアジアマネーを取り込み、成長の糧としようとしている日本企業もある。

 長期的な人口減少による内需縮小が止まらない日本。アジア市場を中心とした外需獲得は企業の最大課題となった。日本企業が過去に経験したことのない新たな時代への突入だ。

 2000年以前の日本企業のアジア進出は、基本的には安価な労働力を求めた製造拠点としての進出が中心であった。とにかく品質の高い製品を安く製造することが最大の目的だった。アジアで安く製造した製品は、日本はもとより欧米先進国が消費してくれたからだ。

 それが2000年代に入り、アジアは徐々に魅力的な消費市場を形成していった。しかし、多くの日本企業はこれに出遅れてしまったのだ。

 最近になって、日本企業は内需縮小にようやく諦めがつき、それを現実視できるようになった。ここ数年、積極的にアジアシフトへ向けて重い腰を上げる企業が増えてきた。アジアのマーケットを理解し、アジア人材の確保や人材のグローバル化に経営資源を投入し始めている。

 しかし、これからはアジアのマーケットを理解することや人材をグローバル化することだけでは、その市場で勝つことは難しいだろう。日本企業はアジアマネーをどう取り込むかが、アジアでの競争力を維持するための最大課題になる。

 今、アジアには世界中のマネーが流れ込んでいる。アジアの株式市場の時価総額はここ10年で何倍にも膨らんでいる。香港を含む中国の株式市場の時価総額は既に日本を上回っているし、その他、アジアの主要株式市場の時価総額も金融危機後、いち早く回復して拡大を続けている。

 一方で、日本は1400兆円もの個人金融資産を持ちながら、それが株式市場に注がれることはなく、株式市場は低迷を続けている。長期的な内需縮小でますます経済が低迷するのだとすれば、今後もジャパンマネーへの過度な期待はできない。まさに、負のスパイラル(連鎖)である。

 グローバル競争は、資本力の競争そのものである。ライバルとなるアジア企業は、これらアジアマネーをバックに成長し、今後、ビジネスシーンでますます力を発揮していくだろう。自分たちにない技術力、自分たちにないブランド力を手に入れてくるのは時間の問題だ。かつての日本がそうであったように。

 アジア市場で勝つのであれば、日本企業はアジアマネーをいかにして取り込むかについて、そろそろ真剣に考える時期が来ているように感じる。(隔週掲載)

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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