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2012年2月21日

【新興国に翔ける】アジアの中間層は何よりも価格重視

http://www.sankeibiz.jp/business/news/120220/bsc1202202213009-n1.htm

 アジア市場の最大の魅力は9億人の中間層にある。しかし、多くの日本企業はいまだに富裕層への思いを捨てきれないでいるように感じる。もしくは、すでに中間層を狙っているつもりなのかもしれない。だとすると、どれだけ投資をしても、その成果を得るのは難しいだろう。

 日本市場であっても、アジア市場であっても、ビジネスの基本は変わらない。基本となるのは、「何を」「誰に」「いくらで」「どう」売るかである。多くの日本企業の場合、「高機能、高品質の日本企業製品を」「富裕層に」「高く」「日本での成功体験をもとに」売ろうとしている。しかし本来は、「現地ニーズに即した製品を」「中間層に」「安く」「現地のやり方で」売らなくてはならない。

 アジアの中間層にとって最も重要となるのは価格だ。日本企業の多くは、この価格の基準を変えられないから、全ての販売戦略がおかしなことになる。1人当たりの国内総生産(GDP)が4万ドル(約320万円)を超える日本市場に慣れた企業が、1人当たりGDPが数千ドルのアジアで勝負を挑むのだから、それこそ大変な挑戦である。

 結局のところ、コスト構造を変えられないから価格が高くなり、それを理由に高い技術力を武器とした高品質・高機能にすがる。しかし、アジアの中間層はそんなものは全く望んでいないという悪循環になるのだ。

 一方で、富裕層はというと、「何を」に当てはまる商品やサービス自体にブランド力を求める。しかし、残念ながら日本のブランド力は年々低下しているし、多くの業界で欧米の持つブランド力が日本をしのいでいる。もちろん、日本製品にブランド力がないとは言わない。しかし、それは購買に結びつくほどのブランド力ではないのだ。

 長年、ブランドよりも機能や品質を優先してきた日本企業の製品は、むしろ富裕層よりも中間層向きのものが多い。従って、日本企業にはアジアで徹底的に中間層を狙うことの方が、難易度が低い。

 逆に、コスト構造を変えられないのだとすると、アジアの中でも、シンガポールや香港、そして中国の一部だけを狙うべきだろう。どんなに機能を訴えても、どんなに品質を訴えても、それらが価格に勝ることはない。アジアの中間層にとっては、それだけ価格が重要なのだ。

 しかし、コスト構造を変えられるのだとすると、「何を」に当てはまる製品やサービスが必然的に現地ニーズに合ったものに大きく変わる。そして、「誰に」は中間層へと変わり、「どう」にあたる販路が開けてくる。高額な日本企業製品を流通させられる販路は少ないが、安価な中間層向けであれば、可能性は一気に広がる。

 実は、多くの日本製品が中間層に非常に向いているだけに、アジア市場にとっての価格の重要性をいま一度見直してほしい。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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