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2011年6月21日

【新興国に翔ける】アジアにおける流通網の作り方

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110621/mcb1106210500001-n1.htm

 日本の製造業者がアジアで製品を販売する際、生産材であろうが消費財であろうが、また、輸出であろうが、現産現販(現地生産・販売)であろうが、重要なのは流通網の構築である。

 マーケティング4P戦略でいうところの「Place(流通)」である。いくら素晴らしい製品を適切な価格で、適切なプロモーション(販売促進)を通じて顧客に伝えても、実際に商品を流通させられなければ売り上げは立たない。現地で売り上げを伸ばすのも、シェアを上げるのも、この流通網をいかに最適化できるかにかかっているといっても過言ではないだろう。ここでいう最適化とは「流通網の構築」と「流通網のマネジメント」の両方を指す。

 まず、流通網の構築だが、多くの企業が直面する課題がどうやって流通網を構築するかだ。一部の例外を除き、アジア市場においては、日本企業が自社独自で流通網を構築していては時間と資金がいくらあっても足りない。従って、売る機能は分離して、売ることを専業にしている企業を利用する必要がある。誰に売ってもらうかを決めなくてはならないのだ。この“売ってもらう相手”を選ぶ上で多くの企業が過ちを犯す。

 まず、輸出の場合、日本国内の商社を利用するという方法があるが、ここで理解しなければならないのは、流通には消費者から遠い川上と消費者に近い川下が存在することだ。日本の商社が得意としているのは川上流通である。要は、日本国内からアジア流通の川上までを得意としており、本当に大変な川下流通にたけた商社は少ない。従って、商社を頼るのではなく、メーカー自身がアジアに代理店網を作りにいかなければ絶対に商品は流通しない。

 総代理店、代理店、特約店、販売店の役割を明確にし、数ある代理店の中から自社の製品流通に適した企業をしっかりと選定することが求められる。やってはいけないのが、“出会い”で代理店を決めることだ。

 そして、この流通網を構築した後のマネジメントの重要性も忘れてはならない。多くのメーカーは、日本国内市場において、定期的に代理店を訪問し、新製品案内や引合管理、営業支援などをメーカーの立場で行っている。そのルート営業の過程で、代理店との関係強化が計られ、互いの信頼関係が強固なものへと発展する。

 これはアジアでも同じで、A社を代理店に指定して「あとはよろしく」では製品など売れない。競合メーカーの代理店施策や動向などを意識しながら、積極的に代理店マネジメントをする必要がある。目標を達成した代理店の表彰や達成リベートの仕組みなどをしっかり作らなくてはならない。中国を中心としたアジア市場などは、特にこの表彰やリベートが日本以上にモノを言う。

 近年、アジアのさまざまな業界で、流通網がしっかりと整備されはじめているだけに、日本企業にとっても早期の流通網の最適化が迫られている。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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