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2011年10月25日

【新興国に翔ける】「Made in Japan」にすがるな

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111025/mcb1110250500002-n1.htm

 ?「Made in Japan(日本製)」。かつて、この言葉が世界で最も影響力を振るった時代があった。この言葉は、世界最高品質を意味し、信頼と安心の象徴であった。

 世界の消費者は日本製を求め、そして日本製に憧れ、日本製であるか否かが購買行動の大きな基準の一つであった。日本製は、その他のいかなる国の製品をも超越する圧倒的なブランド力を持っていた。日本にとって最も良き時代の一つといえよう。

 しかし、時は流れ、時代は大きく変わった。「Made in Japan」という言葉は、いまだ高品質の象徴であることに違いはない。だが、購買行動を決定づけるほどの力はもう持ち合わせていない。多くの行政や企業はこの期に及んでまだ「Made in Japan」の再来を信じ、その再現を捨てきれないでいる。気持ちは理解できるが、世界はパラダイムシフト(その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、価値観などが劇的に変化すること)を迎えたことを理解しなければならない。その理解なしに日本のさらなる発展はないだろう。

 日本の品質や技術は決して低下していない。むしろより向上しているにも関わらず、なぜ「Made in Japan」はその力を失ったのだろうか。

 理由の1つとして、韓国や台湾、そして中国という国々の技術が著しく向上し、製品によっては日本製と大差がなくなってきたことが挙げられるだろう。しかも、コストパフォーマンスにも優れている。かつて、日本製が圧倒的だった時代、韓国や台湾、中国といった国の製品は粗悪品の象徴だった。それが、この数十年で大きく変わったのだ。

 2つ目の理由として、日欧米の経済支配の時代は終わりを告げ、アジアを中心とする新興国の台頭で、市場が大きく拡大し、変化したことが挙げられる。今やアジアの9億人の中間層は消費市場で大きな力を持つまでに成長した。

 そして3つ目の理由として、国と国、企業と企業のグローバル化が進み、今や、どの国で作られた製品かは重要ではなくなったのだ。どの国で作られたのかよりも、誰が作ったのかが信頼であり、ブランドとなる時代へと大きく変わった。

 「Made in Japan」のソニーの「ウォークマン」の時代から、「Designed by Apple in California Assembled in China(米カリフォルニアのアップル社でデザインされ、中国で組み立てられた)」がまさにこれを象徴している。

 企業のグローバル化が進み、中国が世界の工場となった今、どの国で作られたかなど何の意味も持たないのだ。その昔、「Made in USA」の時代から日本がその座を奪ったのと同じで、日本製の座も成長著しいアジアに完全に奪われるのは時間の問題だ。米国がそれにいち早く気づき、トランスフォーム(変化)したように、日本も、日本企業も次の姿にトランスフォームを急がねばならない。

 世界の数少ない真のグローバル企業は、既にそれに気付き、自身を変化させている。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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