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2011年7月12日

【新興国に翔ける】「日本人の考え方」を輸出せよ

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110712/mcb1107120501002-n1.htm

 日本の商品やサービスを広く世界に流通させるには何が重要なのか?

 もちろん、現実的に商品やサービスを売るには、マーケティング戦略が全てだ。国内市場はもちろん、海外市場となれば、国内以上にマーケティング戦略なくして成功はない。この連載コラムでも、これまでマーケティングのことを多く書いてきた。しかし今回は、“日本人の考え方”という少し違った角度から話をしたい。

 日本人は、100ドル(約8000円)の対価で10の約束をすると、必ず10以上の約束を果たそうとする。100ドルで11や12の約束を果たすことは、日本人にとっては当たり前のことだ。

 相手は100ドルの対価を払ってくれる大切な顧客である以上、相手が想定している10の価値以上を感じて喜んでもらうことは、日本人にとってごく自然なことなのだ。しかし、このような考え方をする人種は世界中のどこにもいない。

 全てのヨーロッパ人をひとくくりにするのは少し抵抗があるが、基本的に欧米人の場合、例えば100ドルで10の約束(契約)をすると、きっちり10の義務を果たす。100ドルの対価が10であれば、それ以上でもそれ以下でもなく、約束通りに10を果たす。相手が11を求めれば、こちらも当然の権利として110ドルを求める。彼らの中に1を無料でやるなどという考え方は存在しない。

 中国人はといえば、100ドルで10の約束をすると、とりあえず5の義務を果たす。そして、残りの5に対しては、相手に何も言われなければ5の得をしたと考える。中国人からすると、偏見だといわれるかもしれないが、これは長年の私の実体験から感じることであり、全ての中国人がそうだとはいわないが、大半はそうだし、少なからず間違ってはいないはずだ。

 要は、世界にはない日本人のこのマインド(考え方)こそが素晴らしいものであり、日本企業が作る全ての製品やサービスはこの考え方が基本になっている。だからこそ、日本の製品は世界一品質が高く、日本のサービスは世界一気持ちが良いといわれるのだ。

 日本が戦後、奇跡的な経済成長を遂げたのも、日本人がただ頑張ったからではなく、日本人の頑張りにはこの考え方が強く根付いていたからだと私は思う。

 日本企業の技術力が高いのも、ただ頭が良いから、勤勉だから、手先が器用だからではない。頭の良し悪しで言えば、アメリカ人やユダヤ人の方が賢いだろう。勤勉で言えば、ベトナム人の方が真面目でよく働く。手先の器用さなら、中国人の方が上だ。なのに、なぜ彼らにはできないことが日本人にはできるのか?

 それは、“日本人の考え方”に起因しているのだと私は思う。

 日本は、日本企業は、この“日本人の考え方”を世界に輸出すべきだと強く感じる。それが、結果的に日本の製品やサービスをより世界に広めることにつながるだろう。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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