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2012年2月28日

【新興国に翔ける】「常識」「体験」「思考」を変えよ

http://www.sankeibiz.jp/business/news/120228/bsc1202280503003-n1.htm

 今まで、先進国の消費者を相手にしてきた日本企業にとって、アジア9億人の中間層市場で成功を納めるには、企業が既に持つ「常識」「体験」「思考」に対する概念を変えなければならない。

 なぜならば、日本とアジアでは、3C(3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字)が完全に異なるからだ。

 日本とは異なった顧客、日本とは異なった競合、日本とは異なった優位性・意思決定・スピードの中でビジネスを行うのだから、当たり前といえば当たり前だ。しかし、組織が大きくなればなるほど、これらの概念を変えられないでいる企業が多い。概念を変えられないまま戦略を立てても、たちまち失敗に終わってしまう。

 「常識」に関して言えば、「まずリスクは悪であり、回避するもの」という概念を捨て、「リスクはチャンスであり、管理するもの」であることを理解すべきだ。

 現地で対峙(たいじ)する競合の多くは、日本企業がリスクと感じ回避することを、チャンスと捉え管理しながら前へ進む。日本のリスク常識を持ち込めば、戦いにもならない。

 そして、企業にとって最も重要な人材に関する常識であるが、社員のロイヤルティー(忠誠)にいつまでもこだわっていては、アジアでは良い人材など永遠に集まらないだろう。ロイヤルティーを得ようとするのではなく、条件と環境を駆使した仕組みで「定着」を図らなければならない。

 次に、「体験」に関してだが、日本や欧米での成功体験は通用しない。アジアでは、アジアでの新たな体験からしか活路は見いだせない。高機能・高性能・高品質を競う市場から、受容価格を満たした上で、必要最低限の機能・性能・品質の市場に変わるのだから。

 また、付加価値は、機能・性能・品質を高めることではなく、彼らの生活習慣を熟知することから生まれる。今までにない新しい機能であるべきだ。

 そして、「思考」に関しては、輸出的思考を捨て、“現産現販的思考”を持たなければならない。日本は1980年代以降、約30年もの間、貿易黒字を維持し続けてきた。このため、日本企業には、ビジネスのあらゆる局面で輸出的思考が根付いている。アジアは、既存チャネルへ商品を流す市場ではなく、新たにチャネルを作る市場なのだ。いくらアジアに出て、現産現販を行っていても、思考そのものが輸出的思考だとまったく意味がない。

 世界的に見ても優秀な日本人と日本企業が、「常識」「体験」「思考」を少しだけ変えることができれば、必ずやアジア市場でも大きな成果を挙げるに違いない。今後の活躍に大いに期待したい。

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【会社概要】ストラテジテック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)

中国インド東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。

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