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2012年10月23日 SDI アジアビジネス速報

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            SDI アジアビジネス速報

       

2012/10/23発行

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【 アジアビジネス速報 】

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『高度な順送り金型製造技術で実現した高性能プレス加工

生産能力、技術、品質ともに評価はトップクラス』



株式会社 伊藤製作所





- 海外進出先としてフィリピンを選択





「フィリピンで事業をスタートした前身の工場は、総額3,000 〜4,000

万円の中古機械だけを日本から移設したのです」と、進出時の状況に

ついて語り始めたのは、株式会社伊藤製作所の代表取締役社長を務め

る伊藤澄夫氏だ。



同社が海外進出を考え出したのは1985年のこと。当時の日本の情勢と

しては、円の変動相場移行に関するプラザ合意以後、円高が進行する

中で労働時間の短縮は最悪のタイミングだった。部品価格は円高とと

もに上昇し、多くの顧客は海外に移転。「中小零細製造業が受けた打

撃は深刻で、国内のみで製造業を続けることが困難になるのではない

かと考えました」と伊藤氏は語る。



将来、日本の会社が危機に直面した時に、海外会社によるバックアッ

プができるよう力をつけておくことも考えた伊藤氏は、タイへの進出

を検討した。しかし、すでに同業他社の進出や土地高騰、管理職レベ

ルの人材確保難などもあって断念したのだという。そこで1995年、中

国系フィリピン人をパートナーとしてフィリピンのマンダルヨン市に

合弁会社「イトー・フォーカス」を設立することになった。「当時は

日系の金属プレスの進出が皆無でした」と伊藤氏。タイと比べて品質

の良い金属プレスや、金型製造ができる企業が圧倒的に少ないフィリ

ピンでは、すでに同国へ進出していた大手メーカーの発注先としてす

ぐに注文を獲得することに成功したのだ。「日本では中小企業である

弊社が、なかなか取引できないような大企業からの注文を受けること

ができました」と伊藤氏は当時を振り返る。





- 現地社員の幸せ追求が最大の経営目標





進出を始めた頃に拠点としたマンダルヨンの工場から、2003年に付加

価値税や関税の免税が受けられる輸出加工区のラグナ州にあるカーメ

ルレイII工業団地へと移転し、社名を「イトーセイサクショフィリピ

ンコーポレーション(ISPC)」とした同社。工業団地を設営する以前

は、リゾート地としての開発計画があったという美しい景観に囲まれ

た地区だけに、工場からの景色も圧巻だ。



工場の規模も大きくなり、売上も順調に伸ばしているISPCは「フィリ

ピン人社員の幸せ追求が最大の経営目標」としている。「良い人材を

育成できたことが成功要因だと思っています。フィリピン人の家族愛

を大切にする感覚を取り入れ、福利厚生の充実を図ったほか、1 ヶ月

分のボーナスを支払う義務はありますが、それ以上支給している会社が

ない中、当社は更に年間利益の1割(約3 ヶ月分)をボーナスとして還

元しています」と語る伊藤氏。さらに社員を大切にする日本式の人材育

成に務めた結果、社員の離職はほとんどなくなり、2005年より現地社員

のみで高度な金型の設計・製作が可能になったのだという。



「日本人の技術者なしで、難しい順送り金型の設計・製作がローカルス

タッフだけで出来るケースは近隣諸国では例がないのでは」と伊藤氏は

語る。 ISPCの社員は2012年で115名になる。うち1名は日本人だが、他

はすべて現地で雇用した人材だ。フィリピンでは、勤続半年以内なら正

社員にしなくてもよいという法律があるため、これを利用して半年契約

の社員を回すことで賃金の上昇を抑えている企業が多い。しかし、正社

員が半数以上になるISPCは契約社員の比率が低いのだ。これは現地雇用

に関して大きな志を持つ同社ならではの形態といえる。



フィリピン人トップは女性取締役のローズ・G・アンドリオン氏で、ISPC

に10年以上務めており、同社の株も保有している。「一度、彼女とは退職

寸前までいく喧嘩をしました」と笑いながら語る伊藤氏。フィリピン人特

有の頑固さがきっかけとなった喧嘩ではあったが、結果的にローズ氏が謝

罪することで丸く収まった。「いろいろありましたが、今では日本人より

も日本的な言動が多いですよ」と、現在の同氏についてにこやかに語る伊

藤氏は「ローズさんが事実上の社長だ」と公言している。全幅の信頼を寄

せられたローズ氏の下、現地スタッフはきびきびとよく働いているのだと

いう。





- 副社長の急逝で撤退の危機にも直面



ISPCは成長し続けているように見えるが、順風満帆だったわけではない。

特に2002年には、フィリピンからの撤退も考えるほどの大きな危機があ

ったのだという。先に述べた工場移転の契約直後に現地の設計、製造、

経理のすべてを取り仕切っていた日本人副社長が急逝したことで、パー

トナーが合弁解消を申し入れてきたのだ。



「資本金はこの中国系フィリピン人パートナーに返済しました。60キロ

メートル南に位置する工業団地に移転すると決めた時に従業員の半数以

上が退職すると言うので、急いで人材を30名ほど追加採用しました」と

語る伊藤氏。しかし、急遽採用した人材に質の悪い社員も含まれていた

ため、社内の雰囲気も暗く沈んでいったのだという。



だが中国系パートナーと合弁を解消した事により、100%日本側の出資に

よる企業へと転身することを知った従業員のほとんどから『新会社で働

きたい』と申し出がありました。追加採用した社員まですべてを連れて

行くわけにいかない。幹部社員に対する反感を予想し、移転に伴う従業

員の再雇用は現地のコンサルタントに依頼して心、技共に良い人材を選

定。「ほかにも緊急措置として日本から4名のスタッフを派遣、経営者自

らも現地入りして撤退のピンチを切り抜けました」と語る伊藤氏。「合

弁を解消して単独資本で運営できるようになったことも、成功要因のひ

とつだったと思います」と伊藤氏は現在の心境を語っている。





- 両国の社員が刺激し合いモチベーションを向上





「フィリピンでの事業拡大は自然体で進めるだけです。全従業員に日本

本社へ研修するチャンスを平等に与えて、フィリピンの工場に戻っても

らうことを考えています」と伊藤氏は語る。



日本とフィリピンの技術者が協力し合い、さらなる精度の高い技術力向

上が期待できる取り組みといえるだろう。これについて伊藤氏は「現地

でハイレベルの金型が製作できるようになったことに、日本の本社社員

は危機感を感じています。本社社員は過去にも増して技術向上に心がけ

るようになりました」と明るい表情で語る。現在では毎年、現地のクリ

スマスパーティーに7 〜8名の本社社員が合流し、両国の社員同士が互

いにモチベーションを高めあっているのだという。



「会社を大きくするのではなく高利益体質の会社になること、ローカル

社員が幸せになり安心して働ける会社を目標にしています」と語る伊藤

氏。これ以上の海外展開は計画していなかったが、2年前よりインドネシ

アの財閥から合弁設立を熱望されているのだという。世界一親日的な同

国は、需要が多いにもかかわらず現地調達率が低い。「日本の技術を持

ち込むことで急激な成長が望めると確信しています」と、伊藤氏は新た

な目標に向けて熱い想いを語ってくれた。 



新会社設立は過去には例がない方法で行うという。それは、インドネシ

アに技術を移転するため、通常は日本人技術者が赴任するが、同社では

語学に堪能で日本人と比較して10分の1以下の費用で済むフィリピン人

技術者を登用する。過去における日系企業の進出として、極めて効果的

な進出形態と注目されるに違いない。



アジアで、そして日本で、高度な技術力を背景に優れた製品を提供して

いる伊藤製作所とISPC。そこで働くすべての人材の幸せを叶えつつ、世

界的な社会貢献を今後も続けてくれるはずだ。





             ◇





株式会社 伊藤製作所



1945 年、三重県四日市にて戦災による漁網機械および撚糸機械の復興

事業より創業する。その後、1957 年に株式会社伊藤製作所を設立。

1963 年に順送りプレス型設計製作を開始する。以降、蓄積された膨大

な技術、特許、人材などを背景に企業として成長を続け、1995 年にフ

ィリピンへ進出。2003 年に100%独資の「イトーセイサクショフィリ

ピンコーポレーション(ISPC)」を設立。第4 工場まで持つ優良企業と

して大きく飛躍し続けている。



http://www.itoseisakusho.co.jp/



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※記事提供:株式会社ブレインワークス:Sailing Master

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