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2011年2月24日 SDI アジアビジネス速報

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          SDI アジアビジネス速報
2011/2/24発行
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(第51回・2011年2月22日フジサンケイビジネスアイ 朝刊より)


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【 アジアビジネス速報 】
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アジアビジネスの先駆者に聞け!


一般社団法人
日本経済産業連盟理事
楠元純一郎


南寧ってナンネイ?
?東南アジアへの玄関口、人類の最も住みやすい都市?


一, 2010年秋、中国南寧の広西大学法学院・広西法学会に講演(会社
法・国際ビジネス法関係)に招かれた。広西大学外国語学院では日本語
教師の方(http://blogs.yahoo.co.jp/heshiyouzi2006)にも出会った。
異国の地で頑張っていらっしゃるヤマトナデシコのおひとり。広西大学
はとくにベトナムからの留学生が多いが日本語熱もなかなかのもの。進
出日本企業にとってはバイリンガル人材の供給源ともなりうる。


二, 中国南部の広東省と雲南省との間に省クラスの広西壮族自治区が
あるが、南寧(Nanning)はその区政府所在地、つまり中心地に当たる。
人口およそ700万人。ベトナム国境まで180km、首都ハノイまでも300km。
山水で有名な桂林も広西にある。
南寧は東南アジア諸国への玄関口で、2004年以来、「中国・ASEAN博覧
会」の永久開催都市となっている。南には北部湾(トンキン湾)があり、
大型コンテナ船の乗り入れが可能な欽州港、防城港、北海港がある。つ
まり、広西壮族自治区は中国内陸部にありながら港湾にも面していると
いう地理的優位性がある。陸路では高速道路がベトナムにも直結してお
り、また、南寧呉墟(ウーシィ)国際空港もあるなど、北部湾経済特区
の交通の要であることから今後、物流基地、商業貿易基地、加工製造基
地、情報発信基地として大発展が期待されている。
実際、中国のGDP平均値をはるかに上回るスピードで成長しており、こ
こを訪れてみると未来都市のような美しさにまず目を奪われる。気候は
亜熱帯に属し、「緑城」と呼ばれるように●江(ヨンジャン)という大
きな川が豊富な水をたたえ、ブーゲンビリアなどの南国の花々に彩られ、
街中どこも清潔な印象を受ける。たとえば、大概のレストランは独自で
食器を洗浄せず、どこかで集中管理されてラップに包まれて出てくるし、
走るバイクはすべて電動。この南寧市は2007年には「人類が最も住みや
すい環境」として国連ハビタット賞も受賞している。
市内は東西に民族大道(ミンツータータオ)が一文字に貫いており、こ
れは中国最大の少数民族である壮(チワン)族のシンボル( YouTubeの
「Aerial shots of Nanning city 1」で検索
http://www.youtube.com/watch?v=kGD7qVMY_UE)。その中央に短冊のよ
うな南湖(ナンフー)があり、そこから東へ開発が進行中。五象広場(
ウーシャン・クワンチャン)には59階建てのランドマークタワーがそび
え立つ。その東側に「中国・ASEAN博覧会」の会場となる「南寧国際会展
中心」が、またその東の青秀区には領事館区が着々と整備されつつあり、
ここにこのほど「中国・ASEAN国際ビジネスエリア」が誕生した。
ここはASEAN加盟10カ国に日本と韓国を加えた12カ国が独自の趣向を凝ら
したオフィス、住宅、レジャー施設、商業施設などを整備し、いわば東
南アジアをコンセプトとした一大テーマパークともいえ、国際色豊かな
観光資源になりつつあると同時に、中国・ASEAN博覧会の常設展示場と
しての役割も果たす。2010年1月1日からゼロ関税の自由貿易区域となっ
た中国・東南アジア諸国の総人口は19億人、域内総生産額は2兆ドル、
貿易総量は1.2兆ドルに達する。
この一角にあるのが中国で初めての大規模日本人街といわれる「日本園」
http://www.nihonen.com/nihonen.html)。居住施設はもちろん、日本
の商材・役務を販売・提供する「日本園第一名品商店街」や、広西の友
好都市・熊本にちなんだ「広西・くまもとプラザ」(
http://j.peopledaily.com.cn/94476/7172094.html)もあり、和風建築
様式が日本的文化情緒を醸し出している。
日本園を開発した東信房地産有限公司の祝允(ジュー・イン)社長は、
東京にも「日本東信物産株式会社」を立ち上げ、中国、日本、東南アジ
アを舞台にした貿易その他のビジネスを手掛けている。海外進出を目論
む日本企業にとって、東信物産と日本園が中国全域・東南アジアビジネ
ス展開への糸口となり、19億人市場の開拓も夢ではない。「日の丸」企
業が国際的プレゼンスを示すためにも、これを機に広西南寧進出を検討
されることをお奨めする(お問い合わせ先 jjbinc@live.jp(趙))。


三, 南寧進出日本企業は、王子製紙、ハリマ化成、ダイセル化学、フ
ォスター電機、ジャパン建材、タイガー金属、富士フィルム、スミダコ
ーポレーション、イビデンなど計20社ほど。広西では柳州の自動車関連
企業の広テック、梧州のシチズン電子、荒川化学、桂林のNECなどがあ
る。たとえば王子豊産林はユーカリの原木を販売している。土地を借り
て植林、農業、酪農をすると利益の25%の法人税が無税となり、消費税
のような増値税も還付され営業外収益になるとのこと。また、ハリマ化
成はロジン(マツヤニ)から塗料・接着剤などを、ダイセルは酢酸セル
ロースなどを製造している。


四, おそらく南寧に最も精通した日本人は「ヤマネイ(山寧)さん」
こと山根氏であろう。氏は2005年3月、山之内製薬を早期退職した後、
南寧に住み着かれ、現在二つの飲食店を経営している。一つは「雨石閣」
(ウーシークゥ)(南寧市衡陽西路2号、電話0771-3900008)という四
川料理系チェーンで50パーセント出資の持株店、もう一つは「吉派香■」
(ジーパイシャンティ)(南寧市東葛路135号嶺南家園内 電話
0771-5737599)という和洋食喫茶(Cafe Bar)だ。雨石閣衡陽店は34
の個室を合わせ680席、従業員は厨房30名、ホール70名というから相当
な規模で広東料理もある。
吉派香■の名は、健康、安全、安心を意味する三つの吉(ジー)、パン
を意味する派(パイ)、流行を意味する香■(シャンティ)に由来する。
シャンティ店内はランプやカーテンなどのセンスのいい洒落た内装が印
象的で高級感が漂う。客層もテレビ局の業界人やモデルなども多く、ま
さに流行の最先端をいく店、南寧の隠れ家的存在といえよう。
飲食店を作ったそもそものきっかけについて、「サラリーマン時代、北
京で5年間、首席代表をしていた当時、日本ではどこでも食することが
できるようなものがないため、自分で思い通りの店を作ろうという考え
に至った」と明かされた。また、「金で動く商売よりも、長く付き合え
る人たちを大切にしたい」とおっしゃる氏は、「南寧は都会ではあるが、
なんとなくほのかな田舎独特の感性が残っている」ことからこの地を選
ばれたとのこと。
その氏が惚れる洋画家が人民公園に大きなアトリエを構える「王猛」画
伯。相当な実力派でその絵は力強さの中にも純朴さが溢れている。広西
の農村風景、桂林の山水、アンコールワットの石仏画など多くの作品を
手掛けている他、石の収集家でも有名。ここ最近、香港、台湾からのオ
ークショへの出品要請が相次いでいるという。
2011年2月1日にはついに、広西進出日本企業による「広西日本商工会」
も立ち上がり、山根氏がその事務局長に就任された。グローバル大競争
時代、日本企業にとって中国・東南アジア進出の拠点となりうる広西壮
族自治区南寧が、いま熱い。(2011年2月1日稿)


※記事内の、日本語では使用されない漢字
●=「巛」の下に「邑」
■=偏が「糸」、旁が「是」
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