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2010年1月5日 SDI 中国ビジネス事情(上海篇)

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SDI 中国ビジネス事情(上海篇)
2010/01/05発行
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【業界インタビュー】


■世界最大の自動車市場へ 中国メーカーが主役に躍り出る
豊田汽車(中国)投資上海分公司 
プロジェクトジェネラルマネージャー 東和男 氏


今年、中国の新車販売台数は1300万台を超え、米国を抜き世界最大の自動車市
場になる公算だ。政府が消費振興政策を矢継ぎ早に打ち出したことで、世界同
時不況をものともせず対前年比4割増の高成長を遂げた。これまで外資系が牽
引してきた市場だが、自主開発力をつけた中国メーカーが存在感を高めている
。トヨタ自動車の現地法人、豊田汽車(中国)投資上海分公司のプロジェクト
ジェネラルマネージャー、東和男氏に、今年の市場動向と来年の市場予測につ
いて聞いた。


――先月の第7回中国(広州)国際汽車展覧会(広州モーターショー)には
48万人が来場し、大盛況だった。中国メーカーの出展内容の進化には目を見
張るものがあった。


「昨年10月に北京で、今年4月に上海で、先月11月には広州でと、中国で半年
ごとに国際モーターショーが開催されてきた。わずか半年で、中国メーカーが
出展した新車やコンセプトカーの内容、デザイン性が『スピード違反』とも言
える驚異的な速さで進化していた。広州モーターショーには、中国メーカーの
4万元から7万元くらいの低価格車が並んだが、あれだけの製品を低価格で製造
する技術力にも驚かされた」


――中国の新車販売台数が今年1300万台を超え、世界最大の市場になりそうだ
。今年年初、悲観的な業界予測が大勢を占める中、東さんは1000万台超えを予
測したがこれが実現した。


「今年1―10月は前年同期比37.7%増の1089万台で、08年通年の実績を超え
た。今年通年では1300万台を超え、いよいよ米国を抜いて世界最大の市場にな
るだろう。この前年比4割増という高成長に貢献したのが、今年1月に開始した
排気量1.6cc以下の自動車購入税半減や、3月にスタートした『汽車下郷』など
、政府による一連の自動車消費振興政策だ」


――中国では自動車が絶対的に足りていないと見ている。巨大な需要と時宜を
得た政策で4割成長に繋がった。


「自動車普及率の世界平均は1000人当たり150台、そのうち乗用車は100台で、
ブラジルやメキシコがこの水準にある。中国の普及率は現在、自動車が1000人
当たり50台、乗用車は20台に過ぎない。世界平均に達するには自動車が約1億
3000万台、乗用車が1億台足りない計算になる。中国の経済力や産業基盤、文
化水準はブラジルやメキシコを上回っており、実際にはこれ以上の需要が存在
することになる。絶対的に自動車が不足する中、時宜を得た政策が打ち出され
、4割成長に繋がったと見ている」


――高成長を支えたのは内陸部。モータリゼーションが沿岸部から内陸部に浸
透してきた。


「沿岸部の都市よりも内陸部の都市や農村での販売の伸びが高くなっている。
モータリゼーションが沿岸部から内陸部に浸透してきている証左だ。これに伴
い、今年は内陸部に販売網を持つメーカーがシェアを高めている。また、小型
車減税政策の影響で、排気量1.6?以下の自動車に強い中国メーカーが大きく販
売を伸ばしている。今年1―10月、1.6cc以下の自動車の販売数の伸びは、中国
メーカーが対前年比44%増だったのに対し、日系は21%、独系は14%、米系は
10%にとどまった」


――一方、中国政府は自動車業界の国際競争力を高めようと業界再編を促し、
弱小メーカーの淘汰を進めている。


「現在中国には自動車メーカーが117社があり、そのうち中規模以上の乗用車
メーカーが約40社存在する。これまで生産能力過剰が業界のアキレス腱のひと
つとなってきた。業界再編を急ぐ政府の指導の下、ここ数年M&A(企業の合併
・買収)が進められ、今年11月末には長安汽車が航空工業集団傘下の3つの自
動車メーカーと合併、現在は10グループになった。来年には奇瑞汽車と安徽江
淮汽車の合併で9グループになると噂されており、今後も合従連衡が続くこと
が予測される」


――奇瑞汽車やBYD汽車など、自主開発力をつけた中国メーカーの存在感が高
まっている。


「これまで外資系メーカー中心だった中国市場だが、今年は完全に潮目が変わ
った。自主開発力をつけた中国メーカーが小型車減税政策などを追い風に台頭
し、外資系から主役の座を奪いかねない勢いだ。中国は既成概念がまったく通
用しない市場である。トヨタ自動車が類型生産台数100万台までに24年を費や
したが、中国メーカーは次元が違う。99年から生産開始した吉利汽車は9年、
00年開始の奇瑞汽車は7年、04年のBYD汽車はわずか6年で実現。非常にテンポ
が速く、しかも若い企業ほど加速している。このスピード感と圧倒的なコスト
競争力にキャッチアップできるかが、外資系メーカーの今後の成否のカギを握
るだろう」


――来年も中国自動車市場の高成長は続く。1500万台弱まで伸びるかもしれな
い。


「来年も政府は自動車消費振興政策を延長すると思われ、高成長を維持し販売
台数を1500万台弱まで伸ばす可能性がある。『絶対的な自動車不足』を背景に
来年以降もこの傾向は変わらず、2020年には2000万台市場が誕生するだろう。
私は6年前、2010年1000万台を予測したが、1年前倒しで今年実現した。2000万
台も同様に、2017年くらいに実現するかもしれない。中国市場はそれだけ大き
なポテンシャルを持っている」


情報提供:
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